【「未病を治す」は感謝されない?】
最近「僕だけがいない街」という漫画を読んでいます。
来年には実写映画化(主演:藤原竜也)とアニメ化もされるそうです。
主人公が過去を何度もやり直すタイムトラベル・ミステリーもので、
本当は連続殺人犯に殺されてしまうはずの同級生たちを救い出すために奔走します。
そうして命を救われた同級生たちですが、殺されてしまった歴史が修正されてしまったことで命を救われたことがわからず、それに対する感謝はありません。
感謝はしますが不幸な境遇から救ってくれたことに対する感謝なのです。
「未然に防がれた不幸は認識できない。だから感謝されない」
この話は施術も同じです。
東洋医学の代表的な考え方に「未病を治す」があります。
意味は、まだ病気として自覚しないうちに治してしまおう、ということです。
予防医学の元祖で、現代でいえばインフルエンザの予防接種のようなものです。
病気がまだ「芽」のうちに摘み取ってしまうので健康法でもあります。
漫画と同じ「未然に防ぐ」ことで「不幸を認識できない」ように先回りする訳です。
これが痛みやこりが取れた後にメンテナンスをお薦めする理由です。
でも普通は苦しくなったらまた来院すると考えませんか?
しかしそれは逆に損なのです。
せっかく時間とお金をかけて治したのに、また一からやり直すことになり、
前回費やした時間とお金が無駄になってしまいます。
それに痛みやこりでまた苦しまなければなりません。
これってすごく不経済だと思いませんか?
でも何にも辛くないのに施術を受けるのは…、と思うかも知れません。
しかしすべての病は日常生活から生まれます。
一定のラインを超えたときにようやく自覚できるのです。
すでにこの段階で病は進んだ状態になっています。
本当は「不幸を認識できない」ようにメンテナンスするのがベストです。
それが難しければ、自覚し始めたらすぐに施術すれば被害は最小限で抑えられます。
軽症で済むのでベターです。
正直、メンテナンスでご来院される方に感謝されることはほぼありません ^^;
感謝されるのはメンテナンスをさぼって悪化してから施術した場合です。
(感謝して欲しい訳ではありません。念のため)
ベストが難しければベターでも。
定期的な体調管理で痛み知らずの毎日を送りましょう!^^
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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