【鍼治療と風邪のお話2】
鹿沼市の活法整体・鍼灸院、ますぶち治療院です。
前回の続きです。
前回は一般的な風邪の定義についてのお話でした。
咳や鼻水などの「呼吸器症状」と発熱などの「全身症状」があるよ、というものです。
しかしそれは表面的な風邪症状であり、風邪の本質ではない、
風邪の本質は『外部環境との適合不全』である、というところで続きでした。
今回は『外部環境との適合不全』がテーマです。
まず外部環境とは何でしょう?
すぐに思い浮かぶのは暑い寒いといった気温、そして湿度や天気・四季でしょうか。
それらにマッチすることが生物にとって至上命題です。
東洋医学の古典(素問)には四季に応じた生活方法が書かれています。
自然の変化に合わせて生活スタイルを変えると外部環境との軋轢が生じません。
例えば冬は寒いので夜は早く寝て、朝は日が昇ってから起き、過労で汗をかかないように注意して寒さに触れないようにする。
これに逆らった生活スタイルは病気の元となる、とあります。
これを養生法といいます。予防医学の元祖です。
古典には精神面も同時に変化させることが重要とされ、冬には気を静めて何かをしようとせず、満足した気持ちでいることが心身を冷やさない方法、とあります。
しかしこのような生活スタイルを選べる現代人は皆無でしょう。
古代でも王侯貴族の一握りだけだったと思います。
現代人はひとりも外部環境に適合した生活をしていないのです。
そうなると当然、人体の内部環境を外部に合わせて一定に保つ「恒常性(こうじょうせい)」にしわ寄せが行きます。
恒常性とはどんな環境でも体温や血圧を一定に保とうとする体の重要な働きです。
この働きのお陰で人間は奥日光のような高くて寒いところでも活動できるのです。
恒常性の不安定は、イコール自律神経の不安定です。
それが免疫力の低下につながり、さまざまな体調不良が現れます。
そのひとつがいわゆる風邪症状です。
じゃあ、どうすれば外部環境に適応しやすい状態でいれるのでしょうか?
次回に続きます。
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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