【手段と目的の話】
お盆が終わり急に秋めいてきましたね。
夜になると虫の声が賑やかになってきました。
どこからか鈴虫の声が響いてとても涼しげです。
さて先日、坐骨神経痛でお困りの方がいらっしゃいました。
半月前から痛みがひどくなって松葉杖をついてのご来院でした。
歩くときにお尻から太ももにかけての痛みが辛いとのこと。
状況から鍼治療を選択。
腰のツボ2箇所に鍼をするとお尻の筋肉が緩みました。
歩いてもらうと痛くない!と喜ばれ、松葉杖を抱えてお帰りになられました。
また先日、ずっと前に肩こりで来院されたことがある方がいらっしゃいました。
前回施術したときのように活法整体を選択。
こり感がある所を確認しながら施術し、こりを感じなくなった所で終了しました。
ところがこの後ご家族からクレームのお電話をいただきました。
以前よりも施術時間が短いのはどういうことなのか?という内容でした。
この施術の目的は肩こりを緩和することです。施術はその手段にすぎません。
目的を達成したらそこで終了です。
それ以上の施術は無意味なだけでなく、もみ返しなどの害にしかなりません。
施術時間は症状の重症度と私の技量とで変化します。
肩こりが以前よりも軽傷で、私の技量が少し上達したため結果的に短時間になったのです。
繰り返しますが施術の目的は症状の緩和改善。施術はそのための手段です。
施術時間が30分でも60分施術した場合と同じ効果を出せたなら、手段として2倍優れた施術でしょう。
しかし施術を受けることが目的になってしまうと、施術時間が半分にされて損した!と思うでしょう。
私がこの辺りをもっとしっかり説明すべきだったと反省しました。
目的と手段があやふやになるとお互いに残念だなあ、というお話でした。
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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