【活法(整体)と外科手術】
前回の整動鍼で脇腹の痛みが治まった外科手術2日後の方。
手術後3日目になると、今度はお腹の真中の奥の方、
ちょうど手術した胃のあたりが重く痛むようになってきました。
痛み止めの点滴をしても常に鈍痛があり、じっとりと油汗をかいて苦しげです。
ちなみに脇腹はあれ以降痛くないと言います。
それでは今度も整動鍼で…とはいかなくなりました。
前回の鍼施術を見た看護師さんに、入院中の鍼は禁止と告げられてしまいました。
手術直後は免疫力も低下して感染症のリスクが考えられます。
入院中に何か起これば病院の責任になりますから仕方ありません。
だがそこで燻っているような俺たちじゃあない(特攻野郎Aチーム風に)
私には活法があります。
道具を使わない活法なら感染症の心配はありません。
(きっと看護師さんは施術全般を禁止と言いたかったのでしょう。
なので超ソフトな手技を一つだけササッと行うことにしました)
チョー頼れる活法ですが問題点があります。
腹部に効果のある手技は相手にも動いてもらう必要があるのです。
普段は胃下垂や呼吸が浅い方、腰痛で腰が伸びない方に使う手技等は、
腹筋が伸び縮みするため傷口の関係上アウトです。
しかし活法の生まれは戦国時代。
傷ついて動けない者をその場で何とかできる手技はちゃんとあります。
今回チョイスしたのはそんな“相手が動かなくてよい”手技のひとつ、
「脊柱の透し」です。
通常は肋間神経痛などに使うこの手技。
今回は胃を目標に“透し”ていきます。
左右で数箇所、5・6分ほど施術すると、鈍痛がスーっと引いていきました。
額の油汗も引いています。
お腹が軽くなってホッとした表情が見られました。
施術終了。
翌日経過を伺うと、あの後は4時間くらい痛みがなかったそうです。
それから徐々に鈍痛を感じてきたので再度痛み止めを点滴してもらうと、
今度は点滴が効き、そのまま寝てしまいました。
一晩寝たら点滴なしでも痛くなくなったそうです。
それから1週間以上経ちますが、あれ以来お腹の痛みはありません。
少しずつ腹筋にも力が入るようになりました。
活法は素手で行います。何も道具を使いません。
それでも手術後3日目の傷の痛みを一時的でも消し去り、
また痛み止めが効く程度まで痛みが和らぎました。
勿論、今回たまたまうまく行き過ぎた可能性はあります。
このようなレアケースに再度遭遇して効果を再確認することもできません。
それでも活法の凄さと可能性は再確認できました。
活法そして整動鍼、その素晴らしさ甲乙つけ難し!
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
コメントを残す