【マタニティと活法&鍼 その3】
鹿沼市の活法整体・鍼灸院、ますぶち治療院です。
『鍼灸師ってどんな人?』
そんなイメージしづらい生業をしているひとのブログです。
今回も「マタニティと活法&鍼」をテーマに語っていきます。
出産は突然やってくる
前々回は出産直前までお話、前回は治療内容のお話でした。
今回は出産直前の治療についてお話します。
活法でケアするうちに出産予定日が近づいてきました。
まだまだ先のことと思っていた娘の誕生が現実味を帯びてきます。
それでも予定日はまだ半月も先。
明け方寝ていると、里帰りしている妻から連絡が入りました。
時間は午前4時。破水したのでこれから産院に行くとのこと。
まだ陣痛はありませんので私は朝まで自宅待機です。
早朝落ち着かずにいると陣痛が始まったと連絡が入りました。
時間は8時前。すぐ産院に行くと、すでに3分おきに陣痛がおきるようになっていました。
ゆっくり話しをする間もなくそのまま分娩室に移動です。
展開が速すぎませんかねえ?(・・;)
分娩室で活法!
私も立会い出産を希望したので一緒に分娩室に入りました。
今度はそこで陣痛の間隔が短くなるまで待機です。
待機中に助産師さんが何度も状態の確認に来てくれます。
その間にササッと活法です。技は「大腰筋の牽引」。
活法を使う助産師さんの報告によると、妊娠出産と大腰筋には密接な関わりがあります。
この大腰筋を活法でチョンっと引っ張り緩めます。
そして大腰筋を緩める足のツボをじんわり指圧。
次に助産師さんがチェックしたときには子宮口が大きく開いていました。
いよいよ出産!もうできることは何もなし。
急に室内が慌しくなります。
産科の先生や複数の助産師さんが分娩の用意を始めました。
だんだん陣痛が強くなってくる妻。
ここまでくるとその苦しげな姿を見ていることしかできません。
早く産まれて楽になって欲しいと願うしかありません。
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しばらく奮闘を見守った後、無事娘が産まれました。
隣の分娩室でも出産が同時進行したため余分に時間がかかりましたが、陣痛の連絡を受けてから5時間も経たずに出産は終わりました。
このとき無事誕生したことはもちろんですが、産みの苦しみが短く済んだことに一番安堵した気がします。
その後、妻を労い、娘を写真に収め、仕事に戻りました。
分娩と活法
夫として妻と娘、家族と産院スタッフの皆様に感謝しかありません。
特に妻にはただ感謝するのみです。
治療家としても得難い経験でした。
もう分娩室で活法を行う機会はないでしょう。
振り返ると分娩室でのあの一手が出産を早め、妻の体力消耗を抑えて安産になったと考えられます。
命のやり取りをする戦場で生まれた活法が正に「活」法として輝いた瞬間でした。
(続く)
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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