【ツボと治療方法の関係性 1】
鹿沼市の活法整体・鍼灸院、ますぶち治療院です。
『鍼灸師ってどんな人?』
そんなイメージしづらい生業をしているひとのブログです。
今回は「ツボと治療方法の関係性」をテーマに語っていきます。
ツボってどんな感じ?
皆さんは何か習慣にしていることはありますか?
年も改まりこれを機会に○○しよう、とか大きいものから小さなものまで何かしらあるかと思います。
私の場合は取穴。いわゆるツボ取りです。
自分の体のツボを毎日どこでもいいから一箇所は触れています。
これがより素早く正確に取穴するための訓練になります。
ツボといえば患者さんから「ツボってどんな感じですか?」と質問されることがあります。たまに「触ってわかるんですか?」と聞かれることもあります。わかるように地味~に訓練するわけです。
ツボにはいろいろある
さてツボの感じです。
まずツボの認識方法として「触覚」を使うものと「温感冷感」を使うものに大別されます。
「触覚」はさらに皮膚に“接触する前・後”に分けられます。
“接触する前”は皮膚の表面に触れるか触れないかという距離で、静電気の膜のようなモワっと感やピリピリ・チリチリ感を確認します。
“接触した後”は触れてから皮膚表面の硬さや健康そうな感じを確認します。もう少し押すと筋肉の硬さやいわゆる「ツボ」という硬さが確認できます。
「温感冷感」は周りの皮膚より熱い・冷たい感じを確認します。これも“接触する前・後”に分けられます。
「触覚」と「温感冷感」両方の“接触する前”の感覚情報がいわゆる「気」と言えます。気の専門家には大雑把だと怒られるかも知れませんが、ここではわかりやすくそう定義します。これは保険です。念のため。
ツボの種類で治療も変わる
ツボにもいろいろあるのだとご理解いただけましたか?問題はツボの種類によって使い方、すなわち治療方法が変わるということです。
そして鍼灸師も人間ですから得手不得手があります。どうしても得意な触れ方と不得意な触れ方ができます。
すると自ずと見つけやすいツボが限られてきて、自分に“向いてる”治療方法が決まってくるのです。
しかし“向いてる”治療方法が対応しきれない難しい症状の患者さんがいらしたらどうしましょう?
ひとつしかツボが、治療方法がわからなかったらもうお手上げです。ひとつを極めるのはよいのですが必ず想定外があります。
世の中に万能の治療方法はありません。もしあるならば大多数の治療家が採用しているはずですよね。このため何種類か治療方法を持つ必要があります。
整動鍼法はかなり優秀な治療方法ですが、まだまだ私が習得していない部分が残っています。今はその部分を「気」のツボ治療方法で補っている状態です。
このように自分に“向いていない”感覚を修正して対応の幅を広げるためにツボ取りを訓練しているのです。
「気」のツボの働き
いわゆる「気」のツボには皮膚に触れるか触れないかという距離で鍼をします。接触鍼といいます。
ほぼ刺さないから体に優しそう、と思ったら大間違い。痛みを感じる神経は皮膚の表面に密集しています。イメージと裏腹に痛みを感じやすい鍼術なのです。
皮膚表面に痛みなく鍼を当てて操作するのは超ハイレベルな技術を要します。治療家に優しくない鍼術ナンバーワンです。
そして「気」のツボ治療は自律神経の調節を目的にしています。このため治療後は症状を問わず体がすっきりします。しかし「自律神経を介して新陳代謝を促進し、結果として症状が治っていく」という経緯をたどるため、症状の治療に対しては即効性に劣ります。
自然治癒力が発揮されるまでには時間がかかるのです。しかし忙しい現代人はそれを待っていられません。
実体験として都会の東京より栃木県民の方が“せっかち”な傾向があります。
私も以前は「気」のツボ治療をしていました。しかし栃木県では東京よりニーズがなかったのです。
次回は“いわゆる「ツボ」”についてお話します。
(【ツボと治療方法の関係性 2】へ続く)
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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