【鍼×活法(整体)と肩の痛み】
こんにちは、ますぶち治療院です。
今回は短期間で改善した肩の痛み3例から「改善しやすい肩痛の特徴」を探してみます。
四十肩・五十肩と呼ばれる原因不明の肩の痛み。
整動鍼法や活法(整体)を同じように用いても、1・2回で改善するケースと長引くケースがあります。
その違いはどこにあるのでしょうか?
それというのも、「痛みの強さ」や「患ってからの期間」と、施術による改善具合にあまり関係がないからです。
長患いでも数回で改善することはよくあります。
逆に傷めて間もないけれど治療が長引くこともあります。
絶対条件は“患者さんの回復力&生活環境”です。
しかしそこは見えづらい部分ですから、初回で重症・軽症を見抜くのは難しいのです。
どこか指標になる所はないのか、探ってみました。
肩痛の症例1
まずは数ヶ月前から右腕が挙げ辛かったAさん。
神棚の榊を取り替えるような、腕を挙げる動作で肩の上側が痛みます。
施術は活法(整体)で肩こりの手技2つ。
これだけで痛みなく挙げられるようになりました。
このとき気をつけたポイントは肩甲骨です。
肩甲骨から腕にかけて、腋の下の後ろ側の筋肉(棘下筋、大円筋、小円筋)の緊張にアプローチしました。
肩の後ろの緊張が腕を引っ張っていた格好です。
肩痛の症例2
次に3ヶ月前から右肩が痛むBさん。
年末年始で腕を酷使してから腕が水平までしか挙がりません。
痛みは主に肩の上側~外側。
施術は整動鍼法で首・背中・手のツボに合計3ヶ所に鍼。
これでかなり可動域が広がりました。
さらに肩甲骨の緊張を緩めると、ほとんど気にならなくなり、
2回目は2箇所の鍼だけで痛みなく腕が挙げられるようになりました。
このときもポイントは肩甲骨です。
肩甲骨の動きだけでなく、背骨~肩甲骨~腕の連動が重要です。
肩痛の症例3
そして疲れや長時間同じ姿勢で右肩が痛むCさん。
痛みは肩の前と外側です。
数週間おきにメンテナンスしています。
施術は整動鍼法で背中のツボ3箇所に鍼をして、痛みなく動かせるようになりました。
しかし仕上げで行った活法(整体)で痛みがでました。
うつ伏せの姿勢でバンザイしていくと肩の上が痛みます。
このように同じ腕を挙げる動きでも、姿勢が変わると痛むことがあります。
姿勢によって動かす筋肉の負荷が変わるからです。
Cさんの場合、肩甲骨~腕を緩めるだけでは改善しきれませんでした。
そこで背骨~肩甲骨に着目して、首の付け根のツボを指圧します。
すると痛みなくバンザイできるようになりました。
AさんBさんとは異なり、首から肩甲骨にかけての緊張が邪魔をしていた格好です。
首と肩の間にボールが挟まっている図をイメージしていただければわかると思います。
ちなみにその後、同じ症状のDさんでも同じ方法で改善がみられました。
改善しやすい肩痛の特徴まとめ
以上から、
① 肩甲骨~腕にかけてのコリ
② 肩甲骨~背骨にかけてのコリ
この2つの硬さが指標になります。
改善しやすい肩痛の特徴は、この2つが緩みやすいことです。
そして重症な肩痛であるほど、直接ここに触れてはいけません。
このコリを生じさせている本当の原因点にアプローチします。
そうしないと施術効果が薄いばかりか、逆に悪化させることになるからです。
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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