【鍼と外科手術】
当院が用いている整動鍼法。そのポテンシャルの高さを感じられる症例がありました。
いつもは坐骨神経痛やバネ指などに大活躍の整動鍼法。
しかし今回はレアケース、胃の外科手術を受けてまだ2日目の方です!
お腹を横一文字に大きく切開されました。
2日目の朝から痛み止めの硬膜外麻酔が外されました。
すると傷口の両端、左右の脇腹付近が痛み出し、体勢を変えるのが辛いと言います。
手術の翌日からリハビリで歩きます。
しかし起き上がり動作が厳しいと、まず立ち上がるまでが大変です。
そこで整動鍼法の脇腹に作用するツボに左右とも鍼をしました。
このツボはお腹の緊張を緩めて腹痛や食欲不振に効果を発揮します。
今回は傷口の過剰な緊張の緩和が目標です。
待つこと10分。
鍼を抜き、体を捻ってもらうと脇腹が痛まなくなりました。
これには私もびっくりです!
正直、単に筋肉を傷めた“普通の”動作痛ではありませんから、
「痛みが半減すれば万々歳だな~」くらいに思っていました。
それにしてもメスで切開し、ホチキスで留められているだけの傷口の痛みが
鍼1本で取れてしまうなんて、まるで魔法のようです。
しかも鍼をしたのはお腹ではなく足のツボです。
しかしこれは魔法ではありません。
整動鍼法の「理論」と体の「法則」を用いた再現性のある「療術」です。
そしてしっかりツボを捉えられれば誰でも効果を得られる再現性があります。
もちろん人によって・ケースによって効果の程度は差があるでしょう。
でもそれは手術でも薬でも同じです。
整動鍼は再現性を備えた立派な「医術」と言えるのではないでしょうか。
次回「活法と外科手術」に続く!
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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