【ツボと治療方法の関係性 2】
鹿沼市の活法整体・鍼灸院、ますぶち治療院です。
『鍼灸師ってどんな人?』
そんなイメージしづらい生業をしているひとのブログです。
今回も「ツボと治療方法の関係性」をテーマに語っていきます。
ツボにはいろいろある2
前回は「ツボ」にはいろいろあり、ツボの種類によって使い方、すなわち治療方法が変わるというお話でした。
その中で“「気」のツボ”を取り上げました。
今回は“いわゆる「ツボ」”についてお話します。
“いわゆる「ツボ」”とは?
その前に皆さんは「ツボ」と聞いてどんなイメージを浮かべますか?
多くの方が皮膚や筋肉をグッと押し込んだときに痛みや重さを感じるところを思い浮かべるのではないでしょうか。
ズーンと重だるかったり、ズキーンと痛みが走る他とは違う部分。正しくそれが“いわゆる「ツボ」”です。
“いわゆる「ツボ」”とは皮膚に接触した後、皮膚を少し押さえて見つかるものです。
グミのような弾力のある硬さがあり、大きさはゴマ粒の先端から大豆くらいまでツボによって幅があります。
深さも皮膚のすぐ下から筋肉の中心付近まで。形は正円・楕円・すじ状・突起状と様々です。
ツボによって硬さ・大きさ・深さ・形がみんな違います。ツボにはそれぞれ表情があるのです。
そして鍼をすると瞬時に変化が起こる即効性があります。
“いわゆる「ツボ」”の働き
“いわゆる「ツボ」”の働きは大きく2つあります。
ひとつはツボのあるその場所を緩ませる①局所的な働き。
もうひとつはツボと関連のある場所を緩ませる②遠隔的な働きです。
わかりやすいのはツボのある場所を直接緩める①の方法でしょう。
皆さんも痛い所に鍼をすると良くなるイメージがあるかと思います。実際たまに「ここに鍼して」と言われることもあります。
しかし①の方法が有効なのはそのコリがその場所の影響だけで起きている場合に限られます。原因のツボが他にあって、痛む場所はそれに影響されている場合、痛む場所に鍼をしても効果は一時的です。
原因のツボに鍼をしないと治らないのです。これが②の方法です。
そして②の方法で“いわゆる「ツボ」”は最大限のちからを発揮します。
ツボの連動性
なぜツボの遠隔的な働きが優れているのかと言うと、ひとつのツボで数箇所のツボ(コリ)に作用できるからです。
例えば手のツボ一箇所で手首・肩・腰・お尻のツボに作用するのです。これを連動と言います。
これを利用すると腰からお尻のあたりが広く痛む場合、それぞれのツボに鍼をせずとも手のツボ一箇所で事足ります。
患者さんへの負担が少ない優しい方法だといえます。
このツボの連動性は筋肉や神経のつながりとは別の法則でできています。
ツボA→脳→ツボBと、脳を介してA・Bが連動するようです。
現在大学で研究が進められているので、近い将来に脳科学でツボの謎が解明される可能性があります。
ツボに優劣はない
ここまでツボの遠隔的な働き「連動」を持ち上げておいて何ですが、ツボに優劣はありません。
よく使うツボとそうでないツボといった使う頻度や使い勝手に差はありますが、どのツボもオンリーワンの価値があります。
連動しないツボも局所的に素晴らしい働きをします。
「気」のツボも慢性的な倦怠感のような捉えどころのない症状にベストです。
ツボは使い方次第です。そして状況に応じてツボを使い分けられる人が名人と呼ばれるのでしょう。
私は鍼灸学校のクラスで自己紹介した際にこう言いました「死ぬまでに名人と呼ばれるようになりたい」と。思えば随分大きな事を言ったものだと苦笑します。
でもちょっとずつ、すり足で前進している感じはします。苦手だった坐骨神経痛でさえ今ではドンと来いです。
果たして亀はゴールまで辿り着けるのか?楽しみにしながら今日もすり足前進です!
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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