【鍼と腰痛②】
こんにちは、ますぶち治療院です。
前回は1回で治まったケース(A)の腰痛と、3日ほどでぶり返すケース(B)の腰痛、
この違いはどこにあるのでしょう?というお話でした。
前提として、鍼は体が自然に回復しやすいように後押しをします。
体に働きかける鍵の役目ですから、回復の主体は受ける側にあります。
(A)(B)共に急な腰痛という症状は同じです。
そうなると、
①条件が違う
②環境が違う
③施術の精度が違う
のどれかということになります。
まず③は除外されます。
理由は複数回施術した(B)でも毎回施術効果は現れています。
また同一人物が施術している以上、(A)だけ会心の一撃が連発したとは考えずらいからです。
次に①、痛みが発生する条件が違うのでしょうか。
どちらも動作に伴って痛みが発生する点は同じです。
それでは発想を変えて、回復力とぶり返す力が条件とします。
(A)では 回復力>ぶり返す力 で、
(B)では 回復力<ぶり返す力 です。
(A)は体力があって、回復する作用が働きやすい。
またはぶり返す力が弱く“ぶり返せない”。つまり軽症です。
(B)は逆に体力がないため回復しずらく、ぶり返す力が強いので重症です。
他に急性・慢性という条件もあります。
これは回復力とぶり返す力の綱引きを時間で表現した言い方です。
そして②の環境の違いです。
碓井流活法は「身・心・神」3つのシンの影響を分析して施術します。
ここでいう「神」とは環境の影響のことです。
例えば同じ条件の方に同じ施術をしたとします。
しかしその後に休息するのか・働くのかで回復の程度が変わってきます。
(A)(B)の腰痛でも(B)は座り仕事や通院間隔が開きすぎるといったネガティブな環境にあります。
環境の要因は大きいと言えます。
まとめると症状の程度(重症・軽症)と生活環境が2つの腰痛の違いでした。
軽症で環境○、軽症で環境×、重症で環境○、重症で環境×の4パターンです。
しかし実際にはこの分類だけでは足りません。
複雑なことに“見かけの”程度というものがあるからです。
激しい症状を表していながら、程度としては軽く、すぐに治まるケースがあるのです。
逆に地味な症状なのになかなか治まらない、程度の重いケースもあります。
これが「やってみないとわからない」ということになる訳です。
表面的な程度と、本当の症状の程度が一致しないのです。
本当の程度を判別する方法は2つあります。
1つは1回の施術でその程度改善するか。
もう1つはそれがどれだけ継続するか、です。
施術で回復した状態が長持ちすれば軽症です。
または長持ちするようになれば軽症レベルに回復してきた、ということです。
回復した状態が長持ちするには生活環境が大きく影響します。
…と話がまとめに繋がったので終了です。
残念ながら今回新たな見地を示すことはできませんでした。
多くの人が納得できる「治りやすさとは?」を示せれば、
より2つの腰痛の違いが説明できるようになると思います。
増渕 一成 (鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師)
栃木県鹿沼市出身
趣味は読書、熱帯魚、落語鑑賞。
活法研究会の提唱する碓井流活法(整体)と整動鍼法を施術の2柱としている。
活法研究会会員。
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