足裏の痛み・モートン病
過去に施術した足裏の痛みの症例を一部ご紹介します。
足裏の痛みには土踏まずやカカトが痛む足底腱膜炎(足底筋膜炎)、そしてモートン病といわれる指の付け根の痛み等があります。
それらの原因の多くはふくらはぎの緊張です。
ふくらはぎが緊張するとアキレス腱を通じて足裏全体が引っ張られてつっぱります。
足裏に余裕がなくなり地面からの衝撃がダイレクトに骨膜に響きます。
足裏の違和感(しびれ・感覚麻痺)は主に坐骨神経痛に伴うものです。
足裏に囚われず、原因点への治療が重要です。
足裏の痛み 症例7
「指のつけ根の激痛」症例
患者
女性(50代)
来院
2021年6月
通院
週2回
通院回数
4回
症状
足の指のつけ根が痛い。床に足をつけると痛む。
右>左で右は激痛。左はつま先立ちできる程度の痛さ。
サポーターを着けているが、着けて楽だったのは最初のころだけ。
地元の鍼灸院に2ヶ月通ったがまだ痛む。そこで足底のアーチ不足といわれた。
宇都宮周辺の鍼灸院で検索して来院された。
治療内容と経過
[初診]
× 足の指のつけ根が痛む(右>左、右は激痛)
痛む場所を確認すると、左右ともに指のつけ根ではなく、土踏まずに圧痛がある。
土踏まず(足底)の緊張が指のつけ根に影響していると推察できる。
そこで足底をゆるめるツボに鍼をした。普通に床に足をつけられるようになった。
活法で足底の縦・横アーチを作って足底のバランスを整えた。
[2診目]
△ 足の指のつけ根が痛む
前回の治療で10→2くらいまで痛みが減った。
[3診目]
△ 足の指のつけ根が痛む
少しモヤっと感じる程度。治療後とれた。
[4診目]
〇 足の指のつけ根が痛む
ほとんど感じない。治療後とれた。終了。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ・活法整体
・承山LR 外承山LR など
・縦折り 横折り
考察
足指のつけ根に痛みを感じていましたが、本当に痛いのは土踏まずで、その原因点はふくらはぎのツボでした。
遠くの原因点が正常な足底に影響を及ぼしていました。
※結果には個人差があります。効果効能を保証するものではありません。
足裏の痛み 症例6
「左足の土踏まずが痛い」症例
患者
男性(30代)
来院
2020年10月
通院
週1回
通院回数
2回
症状
左足の土踏まずが痛い。
2カ月前の運動中に痛みだし、慢性化している。
突っ張った感じがして、押すと痛い。
朝起床してすぐと、運動するときに痛む。じっとしていれば大丈夫。
足底筋膜炎で検索して来院された。
治療内容と経過
[初診]
× 左足の土踏まずが痛い
痛む場所を確認するために押してみると、土踏まずの下半分(かかと寄りのところ)に圧痛がある。
そこに印をつけてから治療を始めた。
痛む場所に一番合う足のツボに鍼をしたがあまり変わらず。
そこで肩と背中のツボを使うと突っ張りと圧痛がゆるんだ。
ふくらはぎのツボも使って土踏まず全体もゆるめておいた。
[2診目]
△ 左足の土踏まずが痛い
運動すると痛いが、歩くだけならあまり痛くない。
背中とふくらはぎのツボに鍼をした。
痛みは左足だが、右半身のツボを使うとよりゆるんだ。
押しても痛くなくなった。
運動して様子をみてもらう。終了。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ・活法整体
巨骨L 四枢L 三陰交LR 漏谷LR
考察
起床してすぐと運動のときに痛むという状況が限定された足底痛でした。
押したときの痛みを基準にして運動の痛みを治療していきました。
※結果には個人差があります。効果効能を保証するものではありません。
足裏の痛み 症例5
「常にズキズキ痛む踵(かかと)」症例
患者
女性(40代)
来院
2019年4月
通院
週1回
通院回数
1回
症状
常にかかとがズキズキ痛い。床にかかとが着かなくてもズキズキする。かかとの皮が薄くなってしまったような感覚。左右両方のかかとが痛み、その時々で強く痛む側が入れ替わる。
2ヶ月前からこむら返りや足が冷えることから始まり、痛み出した。温めるとラク。
当院ホームページで足裏の治療が得意と書いてあったのを読み、来院された。
治療内容と経過
[初診]
× 常にかかとがズキズキ痛い
うつ伏せに寝てもらい、左右のかかとを押して痛む場所を確認した。そこにマーカーで印をつけてからかかとに効果のある腰のツボ2か所に鍼する。
それから再び印をつけた場所を押しても痛くない。立ち上がりかかとを床に着けて歩いてもらっても痛くなかった。1回目の治療で消えた。終了。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ・活法整体
上りょうLR
考察
かかとや足裏は足腰の影響を受けます。足腰が緊張するとかかとも柔軟性がなくなり、痛みや突っ張り感を感じるようになります。
今回は腰のツボをゆるめることで、かかとも余裕を取り戻せました。
※結果には個人差があります。効果効能を保証するものではありません。
足裏の痛み 症例4
「ビリビリ痛みしびれる足の裏(モートン病)」症例
患者
女性(60代)栃木市
来院
2018年11月
通院
週1回
通院回数
2回
症状
両足の裏がビリビリ痛みしびれて、立ったり歩くのが痛くて辛い。
触れて確認すると足裏側の2・3指の付け根に強い圧痛がある。右足>左足。
痛み始めたのはかなり前から。この1年で8kg太ったことで悪化した?
ふくらはぎもパンパンに張っていて重く痛みしびれる。じっとしていると楽。
過去に当院に通院していた方からの紹介で来院された。
治療内容と経過
[初診]
× 足裏側の2・3指の付け根の強い痛み
× ふくらはぎの張り
左右ともふくらはぎの硬さを確認して、足裏に効果のあるツボに2箇所ずつ鍼をした。左足の裏はその場で圧痛が取れた。
[2診目]
○ 右足裏側の2・3指の付け根の強い痛み
△ 左足裏側の2・3指の付け根の強い痛み
△ ふくらはぎの張り
左足の裏は痛みなし。右足はふくらはぎのツボを再確認して1箇所鍼した。圧痛が取れた。
ふくらはぎの張りに効果のある腰のツボ4箇所に鍼した。張り感が和らぐ。
2回目の治療で足裏の痛みが消えた。経過を見てもらうことにして終了。
同時に治療した症状
ふくらはぎの張り感
使用した主なツボ・活法整体
下承山LR 空りょうLR 腸鳴LR
考察
症状からモートン病と思われる足裏の指の付け根が痛む症状でした。
鍼治療以外ではなかなか治療が難しい症状ですが、ふくらはぎの原因点(ツボ)を使うことで早く良い効果が得られます。
※結果には個人差があります。効果効能を保証するものではありません。
足裏の痛み 症例3
患者
男性(60代)
来院
2017年12月
症状
左足の土踏まずを押すとズキンと痛む。
歩いたり動いているときは気にならないが押すと痛い。
いつから痛いのか、原因も不明。
骨にヒビでも入っているのではと心配している。
治療内容と経過
[初診] 土踏まずの先の方(親指寄り)を押さえると他の部分よりも硬い感じがする。ここを強めに押さえると痛がる。
そこで土踏まずに影響するスネを調べていくと押されて痛がるツボを発見。
ここに鍼をして土踏まずを触れると柔らかく緩んでいた。
強く押さえても痛くない。終了。
同時に治療した症状
肩こり
使用した主なツボ・活法整体
三陰交L
考察
治療後、最近狭い所でしゃがみ仕事が続いたことを思い出されました。
しゃがみ姿勢では足の親指の付け根付近(痛んだ場所あたり)に体重がかかります。
同時にスネの筋肉も緊張するため、これが土踏まずに影響していました。
原因を特定できたのでツボ1箇所で終わりました。
もちろん骨にヒビは入っていませんでした。
足裏の痛み 症例2
患者
女性(60代)
来院
2016年9月
症状
ひと月半ほど前から左の足裏、指の付け根が爪先立ちでズキンと痛む。
歩きでも痛み、整形で装具を作ったが、あまり変わらない。
左右で骨盤の高さが大きく違っている。
治療内容と経過
[初診] 左右の足の長さが異なっていることが骨盤の高低差から解る。
まずは活法整体で骨盤の高さを整える。
それから対応するふくらはぎのツボを押さえると痛みが大きく緩和する。
ここに鍼をすると爪先立ちしても大丈夫になった。
マラソンができそう、と笑う。終了。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ・活法
・承山
・骨盤の高低差の調整
考察
左右の足の長さが異なることで体重の分散と、歩行時の地面からの反発に左右差ができていました。
それが原因でふくらはぎにストレスがかかっていました。
そこから足裏が引きつれて、痛みを生じさせていたケースです。
足裏の痛み 症例1
患者
女性(60代)
来院
2016年8月
症状
右の足裏が地面に触れると痛い。特にハイヒールで歩くときにジンっと痛む。
場所は足の二指の付け根、関節部でモートン病で痛むとされる位置。
出先で歩くのが辛いのでどうにか楽になりたい。
右足に体重をかけるときだけでなく、押しても痛がる。
治療内容と経過
[初診] 今回の足裏の痛みはふくらはぎに原因がある。
ふくらはぎのツボを押さえて足裏を押すと痛みがぐっと緩和する。
このツボに鍼をすると足裏を押しても痛がらなくなり、爪先立ちしても大丈夫になった。
終了。
同時に治療した症状
股関節痛
使用した主なツボ
承山
考察
ハイヒールを履くことでふくらはぎが緊張し、それが足裏を引っ張ります。
引っ張られて余裕がなくなると痛みが生じます。
治療してからアキレス腱のストレッチでメンテナンスをするとなお良いです。
足裏の違和感の症例2
患者
30代 男性 (こちらもご参照ください:ブログ【鍼と足裏の違和感】)
来院
2016年5月
症状
何年も左足裏の感覚が鈍く、地面を踏む感触が左右で違う。
治療内容と経過
[初診] 当初坐骨神経痛として施術するが、あまり変化なし。
施術は左足全体の緊張を鍼と活法で緩めていた。
通常は腰の緊張がお尻を緊張させて足に症状が出現するが、それとは異なるケースのよう。
そこでふくらはぎにある、足裏に関係する整動鍼法のツボに触れると非常に硬い。
ここを中心に3箇所硬いツボを念入りに緩める。
確認すると左右の感覚の差が縮まってきた。
[3診目] 同様の施術を行う。
一番硬いツボに対応するエリア以外は違和感が少なくなる。
使用した主なツボ
・合陽L 承筋L 承山L
考察
歩くお仕事でどうしてもふくらはぎが硬くなりがちです。
その環境が影響している症状でした。
再発防止にはストレッチ等で自己管理するか、定期的な治療が必要です。
足裏の違和感の症例1
患者
40代 女性 (こちらもご参照ください:ブログ【鍼×かかとの痺れ】)
来院
2016年5月
症状
強い坐骨神経痛により、右のかかとに痺れを感じる。触れても感覚が鈍い。
足はお尻からふくらはぎまで突っ張った痛みがある。
痺れる場所は、かかとの足の平の中央部。
治療内容と経過
[初診] 両足の強烈な坐骨神経痛で治療中の方で、今回は右かかとの痺れを訴える。
まず坐骨神経痛に対する施術を行う。
整動鍼法で腰部のツボ3箇所に鍼をしてお尻と足の緊張を緩める。
この時点でかかとの痺れは薄らいでいた。
それからかかとに対する鍼を右手のツボに施すと、感覚が左かかとに近くなった。
左右差が落ち着くまで10分ほど待つ。
仕上げに活法の「坐骨上げ」で足全体をストレッチして終了。
同時に治療した症状
・坐骨神経痛
使用した主なツボ・活法
・腰眼R 殷門R 空りょうR 項強R
・坐骨上げ
考察
坐骨神経痛に伴う症状のうち、足首から先(足指や足裏)の症状は比較的取れづらく、時間と回数がかかります。
今回は一度の施術で著効を得ましたが、普通は何回かお時間が必要です。