顔面の症状(頬・まぶた・顔面神経麻痺)
鍼治療では末梢性の顔面神経症状(ベル麻痺)を対象にしています。
脳内に問題がある中枢性の症状は対象外です。
顔面神経が関わる症状は、顔面神経が影響をおよぼすエリアまで、顔面神経が通過する経路上に障害が見つかります。
通過経路は顔面神経が頭蓋骨から外に出てくる、側頭骨の乳様突起、次に顎関節、そして頬骨です。ここが障害の主なチェックポイントになります。
障害は筋肉のかたさ(コリ)や弾力の低下として触れることができます。
治療はこの障害に効果のある、背中や手足のツボを使います。
またひどい肩こりは障害のベースとなりますので、こちらからもアプローチします。
顔面神経を障害する圧迫を取りのぞいて改善に導きます。
顔面の症状(頬・まぶた・顔面神経麻痺)1
「頬っぺたがピクピクする」症例
患者
男性(50代)
来院
2022年9月
通院
週1回
通院回数
4回
症状
頬っぺたがピクピク痙攣(けいれん)し、こわばり、引きつる。
場所は頬骨から下まぶたの辺り。両頬ともにピクピクする。右頬>左頬。朝は楽だが夕方になると痙攣がひどくなる。
20代のころからピクピクを感じていた。ネットで当院を見つけて来院された。
治療内容と経過
[初診]
× 左右の頬っぺたがピクピク痙攣、こわばり、引きつる
痙攣する場所は頬骨よりうえで、上顔面神経がコントロールする表情筋のエリア。
そこで頭蓋骨から患部まで、顔面神経が通過する経路をチェックする。すると首~アゴ~頬で緊張の強い部分が見つかった。
その緊張をゆるめる効果のあるツボを手足と背中から7か所選び鍼をした。
治療後、少し突っ張りがゆるんだことを自覚してもらえた。
[2診目]
△ 左右の頬っぺたがピクピク痙攣、こわばり、引きつる
翌日の来院。昨夜は症状が強かったはずの右頬は大丈夫だった。かえって左の頬が気になる。
今度は左をメインに昨日同様に治療した。施術後ゆるみを自覚する。
[3診目]
○ 左右の頬っぺたがピクピク痙攣、こわばり、引きつる
左右ともに顔面がゆるんだ実感がある。左右の緊張が残っている部分を探して治療した。
[4診目]
○ 左右の頬っぺたがピクピク痙攣、こわばり、引きつる
左右とも頬の症状なし。緊張をチェックして仕上げの治療をした。
4回目の治療で消えた。終了。
同時に治療した症状
腹痛
使用した主なツボ・活法整体
合谷 肩稜 承山 衆労 T3 T4
考察
顔面の症状だけでなく、神経性の腹痛もありました。精神的なプレッシャーが腹痛を引き起こし、それが顔面にも影響していると推測しました。
純粋に顔面神経だけの症状かといえばそうではありません。しかし顔面の症状には精神的な要因が強く関係していると思います。
顔面神経と腹痛の両面から治療したことで良い結果が得られました。
※結果には個人差があります。効果効能を保証するものではありません。